大豆を原料にして発酵させたものが「納豆」です。
「味噌」も、納豆と同じように、大豆を発酵させた食品ですが、納豆のように、ネバネバと糸を引きません。
納豆独特の「ネバネバ」は、どんな成分から生まれてくるのでしょう。
納豆のネバネバ成分
大豆を、煮ても焼いても、大豆自体に粘りがでてくるということはありません。
「大豆」が「納豆」になるためには、「納豆菌」の存在が欠かせないといわれます。
「大豆」を煮て「納豆菌」を加え、約40℃で1日置いておくと、「納豆菌」が「大豆のタンパク質」を分解しながら繁殖していくのだといいます。
1グラムの納豆に含まれている納豆菌の数は、約20億個ともいわれます。
大豆の約3分の1は「タンパク質」とされますが、「納豆菌」が「タンパク質」を分解するときには、いろいろな物質が作られるといいます。
ポリグルタミン酸
「納豆菌」が、タンパク質を分解するときにつくられる「グルタミン酸」というアミノ酸が結合した「ポリグルタミン酸」や、糖質の混合物の「フラクタン」が、「納豆のネバネバのもと」になっているといわれています。
「ポリグルタミン酸」は「うま味成分」の一種で、納豆を美味しくすると同時に、「ネバネバした細い糸」を作り出しているとされています。
「フラクタン」には、この「ネバネバ」を安定させる働きがあるといわれています。
「ポリグルタミン酸」は、ネバネバと糸を引く状態ではそんなに旨みが強くなく、「ネバネバの糸を切る」ことで「旨みが増していく」とされています。
納豆を食べる時に、よくかき混ぜてから食べるのは、このポリグルタミン酸の「ネバネバの糸を切るため」というわけです。
ネバネバの糸が切れた納豆には、本来の旨み成分の「グルタミン酸」が多くなり、より一層美味しく感じるようになるといわれます。
ちなみに、納豆を「かき混ぜる回数」は「50回程度」で十分ともいわれます。
納豆のネバネバは「発酵」
納豆がネバネバしているのは、「腐っている」からではなくて、「発酵」しているからとされます。
「発酵する」ことも「腐る」ことも、微生物よって、食べ物などが分解されることで起こりますが、「発酵する」ことと「腐る」こととの「違い」は、それを食べて、体に良いのか、それとも体に悪いのかというところにあるといわれます。
「納豆」は、納豆菌で大豆を「発酵」させて作った食べ物なので、「体に良い食べ物」だといえそうです。