高齢での妊娠/妊娠率を高めるポイント

30代や40代での妊娠・出産は、以前に比べると、一般的になってきているといえます。

とはいっても、30代後半以降になると自然妊娠の確率が低くなるということは、昔も今も変わりはありません。

高齢での出産の場合は、不妊治療に取り組んだ結果授かった赤ちゃんということも多いです。

高齢での妊娠

自然妊娠

自然妊娠とは、医学的な治療を受けずに、普通に夫婦生活を営んで妊娠することをいいます。

妊娠しやすいように、排卵日のタイミングを調べたり、サプリメントを使ったりした場合も自然妊娠になります。

自然妊娠が難しいと、婦人科などで「不妊治療」を受けることもありますが、自然妊娠でも不妊治療を受けた妊娠でも、妊娠そのものに違いがあるわけではないので、あまり神経質に考えない方がいいです。

自然妊娠は何歳まで可能?

健康な女性が自然に妊娠できる年齢は、排卵が始まる12歳前後から閉経を迎える50歳前後までと考えるのが一般的です。

閉経が遅い女性の場合には、50歳を過ぎても妊娠することがありますが、次のとおり、40歳以降になると自然妊娠できる確率は格段に低くなります。

外見は若くて健康的な女性でも、年齢を重ねれば卵子は確実に老化し、妊娠率も落ちてしまいます。

妊娠率(1回の月経周期での確率)
25歳 25~30%
30歳 25~30%
35歳 約18%
40歳 約5%
45歳 約1%

また、1年間避妊せずに性交渉を行った場合の世代ごとの妊娠率は、次のとおりといわれています。

妊娠率(1年間避妊せずに性交渉を行った場合)
20代   約80%
30代前半 約60%
30代後半 約50%
40代前半 約30%
45歳以降 5%以下

35歳以降の初産を「高齢出産」と呼びますが、50歳を過ぎてからの出産は「超高齢出産」と呼ぶことがあります。

妊娠できても高齢出産はリスクが高くなる

各年代の妊娠確率を見ていると、30代後半以降でも、妊娠を諦めなければならないというほどの確率ではありません。

しかし、高齢になるほど、妊娠できたとしても流産や染色体異常などのリスクが高まり、出産の際の母体への負担も、若い頃に比べると大きくなります。

流産の発生率
25歳 約10%
30歳 約10%
35歳 約25%
40歳 約40%
45歳 約50%

染色体異常の発生率
25歳 約0.33%
30歳 約0.33%
35歳 約0.75%
40歳 約2.5%
45歳 約9.09%

高齢での出産は、自然妊娠にこだわりすぎないことも大切

35歳を過ぎて初めての妊娠を目指すのなら、できるだけ早い年齢で妊娠するようにしたいです。

自然妊娠できれば、身体的にも金銭的にも負担は少なくなりますが、高齢出産の場合には、自然妊娠にこだわりすぎないということも、頭に入れておくといいです。

妊娠しづらいようなら、早めに不妊検査を受けてみるのも一つの方法です。

特に35歳を過ぎてからの妊活では、自然妊娠の可能性や限界のことをしっかりと認識した上で、自分にあった妊活に取り組みたいです。

40代になると妊娠率が低くなる理由

加齢とともに妊娠の確率が低下するのには様々な原因がありますが、最も大きな原因は「卵子の老化」だといわれています。

卵子の元は、胎児の時に作られ、それ以降は新しく作られることはありません。

というわけで、卵子も年齢と共に老化していき、女性が40歳になれば卵子も40歳になるというわけです。

卵子が老化すれば、受精に失敗する可能性が高くなり、うまく受精できても受精卵の成長が不十分になる可能性も高くなります。

また、着床できる可能性も低くなるので、結果として妊娠する可能性が低下するということになります。

妊娠確率や流産率などから考えると、40代後半になると出産が難しくなってくるというのが現状です。

もちろん、個人差があるので、40代後半で自然妊娠をしている人もいますが、不妊治療をしている40代後半の人では、残念ながら妊娠に至っていない人が多いようです。

出産を望むのなら、なるべく早く妊活を始めることが、とても大切になります。

妊娠率を高めるポイント

高齢になると妊娠率も下がりがちですが、妊娠率を高めるポイントを紹介します。

夫婦で検査を受ける

高齢での妊娠率を上げるため、まずは、夫婦で不妊検査を受けてみましょう。

一般的には、妊活を始めてから1年以上経っても妊娠しない場合には、不妊症を疑って不妊検査を行います。

しかし、高齢での妊娠を考えている場合には、最初に不妊検査を行うのが良いかもしれません。

「高齢」は、不妊の大きな原因になります。

高齢での妊娠を希望する場合は、早い段階で、自然妊娠で頑張るのか、それとも不妊治療を積極的に受けるのかを決めておくことが大切になります。

不妊検査をして、不妊の原因が認められなければ、自然妊娠することも可能です。

もし、不妊の原因が見つかった場合には、詳しい検査をして、すぐに不妊治療に移ることができます。

高齢での妊娠は、時間との勝負でもあるので、最短で妊娠できる方法を選ぶことが肝心です。

生活習慣を見直して、卵子の質を上げる

妊活の基本は、規則正しい生活と食事、そして運動です。

妊娠しやすくするためには、卵子の質を上げることが大切です。

卵子は、老化によって年々質が低下するので、高齢で妊娠を希望する場合は、卵子の質を下げないことが大切です。

卵子の老化を防ぐため、次のようなことを意識しましょう。

・体をあたためる:体温が高ければ排卵もスムーズになり、卵子の老化を遅らせることができます。
・筋肉をつける:筋肉が増加することによって血流が良くなり、体の熱生産が高まって卵子の質の低下が防げます。
・十分な睡眠:十分な睡眠はホルモンバランスを整えて、卵子の老化を防ぎます。
・食事:抗酸化、抗糖化、抗炎症の3つの「抗」を意識する。

葉酸を積極的に摂取して妊娠しやすい体の土台作り

妊娠しやすい体作りのために、食事や生活習慣の改善、適度の運動を行うことはもちろんですが、葉酸を積極的に摂取するというのも効果的な方法の一つです。

高齢妊娠では、妊娠率が低下する以外にも、流産、ダウン症、染色体異常などのリスクが高くなるという特徴があります。

葉酸には、胎児の神経管閉鎖障害のリスク軽減以外にも、流産、ダウン症、染色体異常のリスクを軽減する働きがあることが確認されているといわれています。

高齢になるほど、これらのリスクは高くなるので、高齢での妊活にあたっては、葉酸を十分に摂取することが不可欠になります。

また、葉酸には、子宮内膜の環境を整えて着床しやすくする効果も期待できるといわれているので、上記のリスク軽減に加えて、より妊娠しやすい状態を保つということからも、十分な葉酸の摂取が大切になります。

葉酸は、食べ物から摂取するのが基本ですが、葉酸は熱に弱いという性質もあり、食べ物からだけでは、必要な葉酸を十分に摂取することが難しいというのが現実です。

このため、厚生労働省も、妊娠に際しては、栄養補助食品(サプリメント)からの葉酸の摂取を推奨しています。

サプリメントから葉酸を摂取するに当たって、特に、高齢妊活の場合には、卵子の質を高めてくれる抗酸化・血流改善効果のある「ビタミンE」を豊富に含んだ葉酸サプリを選ぶようにするのがおすすめです。

妊娠を意識したら、積極的に葉酸を摂取するようにして、不妊治療にステップアップする前に、妊娠しやすい体を作っていくことを心がけましょう。

葉酸の妊婦への効果/妊娠前から十分に摂取を

タイトルとURLをコピーしました