35歳を過ぎてからの妊活では、女性の妊娠力が低下していることもあり、いろいろな対策を考えながら、妊活をしている人も多いですが、一昔前には、40歳前後で出産することは、そんなに珍しいことではありませんでした。
昔の女性は「子だくさん」が多かった
昔の女性は、「子だくさん」の人が、沢山いました。
今では、一人っ子や二人兄弟というのが、ごく一般的ですが、以前は逆に、三人兄弟以上という方が一般的でした。
今ではほとんどいない、五人兄弟、六人兄弟というのも、全然珍しいことではありませんでした。
以前は、結婚する年齢も早かったので、五人、六人の子を産むことも、可能と言えば可能ですが、それでも、最後には、高齢出産となっていたということは、容易に想像できます。
大正時代には、45歳以上の母親から生まれた子が、1年間に約2万人もいたというデータもありますが、これは、現在の約21倍にあたるといいます。
また、1925年(大正14年)には、35歳以上の母親から生まれた子が、約42万8千人というデータがありますが、2014年(平成26年)に、35歳以上の母親から生まれた子は、約27万7千人だったというので、約1.5倍ということになります。
ただ、2014年の総人口は、1925年の約2倍になっていることを考えると、割合からすれば、もっと高い値になります。
今よりも高齢出産が多かったということは、確かな事実です。
高齢出産に関係している「生理の回数」
どうして、昔の女性は、特に対策もせずに、高齢出産をすることができたのでしょうか。
昔の女性が、高齢出産できていた理由には、「生理の回数が少ない」ことが関係しているといわれています。
出産回数が多くなると、妊娠している期間が長くなるので、それだけ生理の回数は少くなります。
昔の女性は、結婚する年齢も早く、若い時から出産を重ねていました。
妊娠している間には、当然、生理がないので、その分、排卵もないというわけです。
排卵の回数が少なかったので、卵巣への刺激や子宮への負担も少なく、胎児の時以降はつくられることのない、「卵子の元」を多く持ったまま歳を重ねていくことができたのです。
その結果、高齢になっても妊娠・出産しやすい状態にあったと考えられています。
卵巣への負担
昔の女性は、若い年齢で結婚して、妊娠を重ねていましたが、現代の女性は、昔よりも初潮年齢が低くなり、結婚年齢は高くなっています。
昔と比べて、生理が始まってから、妊娠するまでの期間が長くなっているので、その間に、生理によって、より多くの卵子が減っていき、卵巣や子宮への負担も多くなっています。
卵子の減るペースが速くなり、卵巣や子宮への負担も多くなっているので、妊娠・出産できる上限年齢も、必然的に低くなってしまうというわけです。
昔の女性は、現代の女性に比べて、高齢になっても、妊娠・出産しやすい状態を保てていたといえそうです。
昔の女性に高齢出産が多かったのは、昔と現代との妊娠・出産に関する環境の違いが、大きな理由になっていました。
また、昔は、若いうちに出産をして、子供を授かっていることが多かったので、高齢になってから、不妊に悩むという必要がなかったともいえるかもしれません。
夫婦生活の回数の減少も不妊の原因に
夫婦生活の回数の減少も、不妊が増える原因に挙げられます。
当然のことですが、夫婦生活の回数が減れば、妊娠する確率も低くなります。
昔は、今に比べて、婚前交渉に対する考え方がオープンではなかったので、結婚した時の性交渉に対する新鮮さが強かったといえます。
また、昔は、娯楽が少なかったので、その分、性交渉への関心が強かったともいわれています。
今では、恋愛結婚が圧倒的に多くなり、婚前交渉することも少なくなくなってきているので、結婚してからの性交渉の新鮮さは、以前に比べると低くなっています。
意識しないと、夫婦生活の回数が増やせない、という状態になってしまうことも、少なくないといわれています。
こうして歳を重ねていくうちに、生理の回数も増ていって、卵子の元は減っていき、卵巣への刺激や子宮への負担は多くなり、結果的に、昔に比べて、高齢になってからの妊娠力が低下しているというのが現状のようです。