アドセンスを始める際に、最初に考えなければならないのが、「無料ブログ」にするか「ワードプレス」にするかということです。
それぞれに一長一短があるので、一概にどちらが良いということは言えません。
「無料ブログ」と「ワードプレス」、それぞれの特徴について解説します。
無料ブログ
「無料ブログ」には、「Seesaaブログ」「Fc2ブログ」「はてなブログ」など、いろいろなブログがありますが、この「無料ブログ」の最大の魅力は「無料」であるということです。
初めてアドセンスを始める際には、アドセンスのことが何もわからない状態なので、「本当に稼げるのだろうか」という思いが強く、できるだけお金はかけたくないという気持ちが強くなります。
最初は、「無料ブログ」を使ってアドセンスを始める人が多いようです。
無料ブログは短期間で上位表示されやすい
「無料ブログ」は、「無料である」というメリットのほか、投稿した記事が、短期間で検索結果に上位表示されやすいということも、大きなメリットの一つです。
短期間で上位表示されやすい理由として、
・無料ブログで使うことができるサブドメインのドメインパワーが強い
・無料ブログ本体のサイトから、新しく作った自分のブログにリンクが貼られる
ということなどが挙げられます。
無料ブログのサブドメイン
「無料ブログ」では、指定されたルートドメインの「サブドメイン」または「サブディレクトリ」を使うことができます。
「指定されたルートドメイン」が「root.com」とすると、サブドメインは「sub.root.com」、サブディレクトリは「root.com/sub」となり、「sub」の部分を自分の好きな文字列に設定して使うことができます。
「無料ブログ」では、「サブドメイン形式」で設定することが多いです。
ちなみに、「ルートドメイン」の「ルート(root)」とは、「根っこ」という意味です。
無料ブログの「Seesaaブログ」では、「seesaa.net」という「ルートドメイン」の「サブドメイン」を設定するので、「○○○.seesaa.net」というサブドメインが、自分のブログのドメインになります。
この無料ブログの「ルートドメイン」(Seesaaブログの場合は「seesaa.net」)は、すでに強いドメインパワーを持っているので、その「サブドメイン」である「sub.seesaa.net」も、強いドメインパワーを持つことになります。
一般的に、ドメインパワーが強くなっていくには一定の時間が必要となりますが、無料ブログの場合は、最初からドメインが強いパワーを持っているので、投稿した記事も上位表示されやすくなるというわけです。
ただし、いくらドメインが強いといっても、投稿する記事がしっかりとしたものでなければ、上位に表示されることはありませんが‥。
無料ブログ本体サイトからのリンク
無料ブログで記事を投稿すると、そのブログサービスの本体サイトのジャンルページなどから、自分のブログに「リンク」が貼られます。
検索エンジンのクローラーは、リンクをたどっていろいろなサイトを巡回して情報を収集していきますが、情報が集中しているブログサービスのサイトなどには、頻繁にクローラーがやってくるといわれています。
そのクローラーが頻繁にやってくるページからリンクが貼られることで、そのリンクをたどって、自分のブログにもクローラーがやってきやすくなります。
クローラーに巡回されやすくなることで、ブログを開設した早い段階でも、投稿した記事が上位表示しやすくなるというわけです。
無料ブログには常に危険が潜んでいる
無料ブログを使うことは、メリットばかりではありません。
そのブログを長く安定的に使っていくということに関して、大きなデメリットもあります。
無料ブログサービスの運営主体は、そのブログの運営会社です。
「運営主体が自分ではない」ということが、「無料ブログのデメリットの根源」となっています。
アカウントの削除
ユーザーは、それぞれのブログサービスの利用規約に同意してアカウント登録をした上で、無料ブログを使うことになりますが、この利用規約では、ブログ運営会社の判断で、一方的にアカウントが削除できることになっています。
さらに、アカウント削除に起因する損害に関して、ブログ運営会社は一切の責任を負わないことになっています。
つまり、それまで頑張って数百記事も投稿したブログが、ある日突然消えてなくなってしまうことがあり、そのことに対しての一切の保証がないということです。
普通にブログに投稿しているだけでアカウントが削除されるようなことはほとんどないのかもしれませんが、常に、アカウントが削除されてブログがなくなってしまうという可能性はあり続けます。
ドメインのペナルティ
無料ブログを利用するユーザーは、指定されたルートドメイン(Seesaaブログの場合は「seesaa.net」)のサブドメインを設定してブログをつくることになります。(○○○.seesaa.net)
何らかの理由で、ルートドメインの「seesaa.net」がペナルティを受けると、その影響は、サブドメインにも及ぶといわれています。
実際、2015年9月に「seesaa.net」ドメインがペナルティを受け、そのサブドメイン「○○○.seesaa.net」を使った全てのseesaaブログが、検索結果に表示されなくなるという事態が起こっています。
これは、seesaaブログの一部のユーザーによる度重なるリンクペナルティが原因ではないかと推測されていたようですが、幸い、数日後には
検索結果に表示されるようになりました。
ペナルティ解除のため、seesaaブログのスタッフが鋭意対応したのだと考えられます。
いずれにしても、自分以外の人がしたことが原因となって、自分のブログがペナルティを受けることがあり得るということです。
リスク管理の面で、大きな問題といえます。
無料ブログではアドセンス審査に申請できない
アドセンスに登録するためには、審査を受ける必要がありますが、現在では、申請は「ルートドメイン」で行う必要があります。(2016年3月頃までは、ルートドメインでなくても申請できていました。)
「サブドメイン」や「サブディレクトリ」では申請できないので、結果的に、無料ブログでは申請できないということになります。
ルートドメインが使えれば無料ブログでも申請できる
無料ブログは、基本的に、サブドメインかサブディレクトリとなりますが、独自ドメインが使えるブログサービスなら、無料ブログでもアドセンス審査に申請することができます。
seesaaプログは、ブログ管理画面の「設定」→「独自ドメイン」から、ブログに独自ドメイン(ルートドメイン)が設定できます。
ただし、独自ドメインは、別途自分で購入するか、seesaaのプレミアムプラン(有料)に加入してから購入する必要があります。
どちらにしても、費用が必要となります。
独自ドメインを使うと、無料ブログのドメインパワーの恩恵は受けられません。
無料ブログのドメインパワーの恩恵が受けられないのなら、敢えて独自ドメインを使って、無料ブログを使うメリットはないように感じます。
審査が通った後は、サブドメインの無料ブログで使える
一旦審査が通れば、その後は、サブドメインの無料ブログなら、アドセンスを貼ることができます。
アドセンスを貼るサイトに関しては、アドセンスの管理画面「自分のサイト」→「サマリー」から、サイトを登録しておく必要がありますが、登録の際、URLの最後がパス(ディレクトリ)になっていると登録することができません。
登録できるのは、ルートドメインとサブドメインだけです。
よく「無料ブログはアドセンス審査に申請できない」といわれますが、結局のところ、「アドセンス審査の申請」や「アドセンスブログの登録」は、無料ブログだからできるとかできないということではなく、そのブログのドメイン(URL)がどうなっているかということに関わっているということです。
無料ブログではなく、自分でサーバーを借りてワードプレスを使ってブログをつくっていても、そのブログのドメインがサブドメインの場合には、そのブロクでアドセンス審査の申請はできません。
・アドセンス審査に申請できるブログのドメイン : ルートドメイン
・アドセンス使用の登録ができるブログのドメイン : ルートドメイン、サブドメイン
無料ブログには広告が掲載される
無料ブログは、無料で使える代わりに、ブログサービス会社がデフォルトで設定している広告が掲載されます。
この広告は、非表示にできないことがほとんどです。
アドセンスブログを作る目的は、アドセンス広告のクリックによる報酬を得ることですが、自分のアドセンス広告以外の広告が掲載されていれていると、自分の広告のクリック率が下がって、得られる報酬が少なくなってしまうことは、容易に想像できます。
デフォルトの広告は、複数設定されていることも少なくなく、自分のアドセンス広告を合わせると、広告数が多くなり過ぎで、うっとうしさを感じることもあります。
無料で使わせてもらっているので、仕方のないことかもしれませんが‥。
ワードプレス
現在のアドセンスブログの主流になっているのが「ワードプレス」です。
ワードプレス自体は、無料でダウンロードして使用することができますが、ワードプレスを使ってブログを作るには、自分でドメイン(独自ドメイン)とサーバーを用意する必要があります。
ワードプレスのメリット
「ワードプレス」は、カスタマイズの自由度が高く、検索結果の上位に表示させるためのSEOにも強いといわれています。
「サーバー」も「ドメイン」も自分で用意したものなので、無料ブログのように、ある日突然ブログが削除されてしまうというようなことはなく、安心してブログの運営ができます。
また、無料ブログのように、自分が設定した広告以外の広告が表示されることもないので、スッキリとした印象になります。
デメット
無料ブログに比べてのワードプレスの「デメット」といえば、「費用が必要なこと」「新規ブログが検索エンジンに評価されるまでの期間が長くなること」くらいです。
ワードプレスでは、新規に独自ドメインをとってブログをつくるため、無料ブログとは違い、ドメインパワーは0からのスタートになります。
このため、新規のブログが検索エンジンに評価されて、検索結果の上位に表示されるようになるまでには、少なくても数カ月(長ければ半年以上)の期間が必要になります。
しかし、これはブログを立ち上げた初期の頃に限ってのことで、ブログが評価されるようになってしまえば、デメリットではなくなります。
ワードプレスを使うのに必要な費用
ワードプレスを使うには、「ドメイン代」と「サーバー代」が必要になります。
「ドメイン代」は、取得するドメインにもよりますが、年間1,500円前後です。(キャペーンなどで、初年度に限っては、年間100円前後で取得できることもよくあります。)
「サーバー代」は、借りるサーバーの性能などによりますが、年間3,000円~5,000円程度で借りれるサーバーで十分です。
二つの代金を合わせても、年間4,500円~6,500円程度の費用負担で、ワードプレスを使うことができます。
ワードプレスを使うには費用がかかりますが、無料ブログに比べて、デメリットよりもメリットの方がはるかに多いので、最初は無料ブログで始めた人も、しばらくするとワードプレスに変えていくということが多いです。
サーバー
ワードプレスでブログをつくるのには、必ず「サーバー」を借りることが必要になります。
「サーバー」とは、ブログを表示するために必要となる情報を格納しておく場所のことで、ここに保管しているデータが提供されることでブログが表示されます。
サーバーを選ぶ際には、そのサーバーがどの程度の性能であるかを判断基準にしますが、初めてサーバーを借りる場合は、サーバーの機能一覧を見ても、それがどういう機能なのかということさえわからないというのが実際のところです。
初めての場合は、そんなに高性能のサーバーは必要ありませんが、かと言って、低価格サーバーであまりにも性能が低すぎるものは、ブログ内容が充実してきてアクセスが増えだすと、途端に使いづらくなってしまうものもあります。
サーバーを選ぶ際、「サーバーの容量」「マルチドメイン設定の可否(ドメインを何個設定できるか)」「データベースの設定可能数(ワードプレスではデータベースが必要)」「無料SSL使用の可否」「ワードプレスの簡単インソールの可否」などが、サーバーを選ぶ大きなポイントになりますが、見落としがちなのが、「転送量の上限」の目安です。
転送量とは、ブログが表示される際に、サーバーから送られるデータ量のことです。
表示されるブログ内容にもよりますが、ワードプレスでつくったブログの場合、転送量1GBで5,000PV前後のブログ表示になるといわれています。
この転送量の上限を超えると、アクセスが制限され、俗にいう「サーバーが落ちる」という状態になってしまいます。
1日の転送量の上限が1GBの場合、1人平均2ページを閲覧すると仮定すると、1日に2,500人以上のアクセスがあると、サーバーが落ちてしまうという計算になります。
1日に2,500人以上のアクセスは、初心者でも、1年も頑張れば、十分に達成することが可能なアクセス数です。
低価格サーバーでは、1日の転送量の上限が1GB程度に設定されているものも少なくありませんが、そういうサーバーは避けた方が無難です。
次に紹介する3つのサーバーは、「低価格サーバー」の部類に属しますが、安心してブログ運営ができる性能を備えています。
サーバーのことがよく分からなくても、この3つのサーバーなら、どれを選んでも失敗することはないと思われます。
個人的な印象では、バリューサーバーとロリポップは、初心者でも使いやすいように感じます。
バリューサーバー
バリューサーバー(スタンダードプラン)
・利用料金:367円/月(12ヵ月契約の場合)
・容量:100GB
・転送量:10GB/日
・マルチドメイン:無制限
・データベース(MySQL):無制限
・独自SSL:無料
・ワードプレス簡単インソール:有
紹介する3つのサーバーの中で最も低価格なのが、このバリューサーバーです。
コントロールパネル(管理画面)が分かりやすく、種々の設定も簡単にできる、初心者にも使いやすい、お勧めのサーバーです。
マルチドメイン、データベースが無制限なので、特化ブログなどをたくさんつくるような場合には、特にポイントが高いです。
他の2つのサーバーに比べて、転送量が10GB/日と少なくなりますが、PV数にすると50,000PV/日程度(表示するブログの内容によっては100,000PV/日程度)までは問題ないので、初心者にとっては十分な量といえます。
下位プランにエコプラン(12ヵ月契約で月183円/月)がありますが、データベース(MySQL)が一つしかつくれず、転送量も少なくなるので、あまりお勧めできません。
サーバーを借りる際には、独自ドメインも取得することになりますが、バリューサーバーを利用する場合は、バリューサーバーと同じGMOデジロック株式会社が運営する バリュードメイン でドメインを取得すると、設定が非常にスムーズに進みます。
ロリポップ
ロリポップ(スタンダードプラン)
・利用料金:660円/月(12ヵ月契約の場合)
・容量:300GB
・転送量:無制限
・マルチドメイン:200個
・データベース(MySQL):50個
・独自SSL:無料
・ワードプレス簡単インソール:有
ロリポップも、コントロールパネル(管理画面)が視覚的に分かりやすく、操作性も優れているという印象があり、初めてでも比較的スムーズに使えるサーバーです。
スタンダードプランには「電話サポート」がついているのも、嬉しいポイントです。
ロリポップにも、下位プランにライトプラン(12ヵ月契約で月275円/月)がありますが、こちらも、データベース(MySQL)が一つしかつくれないので、あまりお勧めできません。
ロリポップを利用する場合、独自ドメインの取得は、ロリポップと同じGMOペパボ株式会社が運営する ムームードメイン でドメインを取得すると、設定がスムーズに進みます。
さくらサーバー
さくらサーバー(スタンダードプラン)
・利用料金:437円/月(12ヵ月契約の場合)
・容量:300GB
・転送量:無制限
・マルチドメイン:200個
・データベース(MySQL):50個
・独自SSL:無料
・ワードプレス簡単インソール:有
さくらサーバーは、「レンタルサーバーの老舗」という安心感があります。
こちらのスタンダードプランには「電話サポート」がついています。
下位プランのライトプランでは、ワードプレスを使うことができないので、さくらサーバーを使うなら「スタンダードプラン」です。
独自ドメインは、さくらサーバーのメニュー画面からでも取得することができますが、割高になるので、ムームードメイン や バリュードメイン
で安く取得するようにするといいです。
ワードプレスのテーマ(テンプレート)は無料テーマで十分
ワードプレスでは、テンプレートのことを「テーマ」と呼びます。
アフィリエイトブログでは、投稿した記事をできるだけ検索結果の上位に表示して、たくさんのアクセスを集めることが重要です。
この検索結果の上位に表示させるための対策が「SEO対策」ですが、ワードプレスのテーマには、SEO対策が施されたテーマと、特にSEO対策は施されていないテーマがあります。
SEO対策のほかにも、カスタマイズを含めた機能性にも大きな違いがあります。
ワードプレスには、デフォルトでいくつかのテーマが用意されていますが、アフィリエイトブログにはあまり向きません。
それならば、どんなテーマがいいのかと言われても、ワードプレスを初めて使う場合は、見当もつかないというのが正直なところです。
おすすめは、無料テーマの「Cocoon」です。
「Cocoon」は、SEO対策が施され、充実した機能とカスタマイズ性を備えた無料テーマで、最近重視されるようになった「表示スピード」の対策も施されています。
その辺の有料テーマ以上の実力があるとも感じます。
特にテーマに対してのこだわりがなければ、この無料テーマの「Cocoon」がおすすめです。
ちなみに、このブログのテーマも「Cocoon」を使っています。
「Cocoon」は、アフィリエイトブログなどでもよく使われていて、定番の無料テーマです。
まとめ
アドセンスを始める際、最初から費用の必要なワードプレスを使うことに抵抗を感じることもあるかもしれませんが、気合を入れて、これからブログを続けていこうと考えているのなら、「無料ブログ」に比べてメリットが多い「ワードプレス」を最初から使うのがおすすめです。
「無料ブログ」でアドセンスがうまくいき始めると、「無料ブログであることの不安」がどんどん大きくなっていきます。
最大の不安は、「無料ブログのアカウントが、ある日突然削除されてしまったらどうしよう」という不安です。
この不安を解消するには、「無料ブログを使わないようにする」しかありません。
実際、アドセンスを続けている人の多くが「ワードプレス」を使っています。