トランプには、「スペード」「ハート」「ダイヤ」「クラブ」のマークが描かれていますが、これらのマークには、それぞれ意味があるといわれています。
マークが、何を表しているかということに関しては、諸説がありますが、代表的な、三つの説を紹介します。
【説1】中世ヨーロッパの身分
「スペード」は「剣」
「ハート」は「聖杯」
「ダイヤ」は「貨幣」
「クラブ」は「こん棒」
を表しているというのが、最も一般的な説です。
これらのトランプのマークは、単に、形を表しているだけではなく、それらから連想される「身分」も意味しているといいます。
「スペード」は、剣から連想される「王侯や軍人」
「ハート」は、聖杯から連想される「聖職者」
「ダイヤ」は、貨幣から連想される「商人」
「クラブ」は、こん棒から連想される「農民」
このことは、それぞれのカードの強弱を示していて、一番強いのが「スペード」で、以下「ハート」「ダイヤ」「クラブ」の順とされます。
中世ヨーロッパの身分階級を、そのまま表しているというわけです。
【説2】春夏秋冬
「スペード」が「冬」
「ハート」が「秋」
「ダイヤ」が「夏」
「クラブ」が「春」
を表しているという、説もあります。
一組のトランプが、52枚あるのは、一年が、52週あることを表していて、
AからKまで、13枚のカードがあるのは、それぞれの季節の13週を表しているといいます。
トランプ52枚の全ての数字を合計すると「364」になり、これに、ジョーカーの「1」を加えると「365」となり、1年の「365日」と一致します。
「エキストラジョーカー」は、「うるう年」に対応しているといわれます。
【説3】絵札の関心のあるもの
トランプの絵札、「K(キング)」「Q(クィーン)」「J(ジャック)」には、人の図柄が描かれていますが、よく見ると、それぞれの「顔の向き」や「角度」が異なっています。
「スペード」が「死」
「ハート」が「恋愛」
「ダイヤ」が「お金」
「クラブ」が「学問」
を表していて、
「キング(年配の男性)」「クィーン(年配の女性)」「ジャック(若い男性)」のそれぞれが、これらに関心のある度合いを、顔の「向き」と「角度」で表しているといいます。
【キング】
[スペード]少しそむけている→死に対してそんなに関心がない
[ハート]少し向けている→恋愛に対して少し関心がある
[ダイヤ]完全に向けている→お金に関してとても関心がある
[クラブ]少し向けている→学問に対して少し関心がある
【クィーン】
[スペード]少しそむけている→死に対してそんなに関心がない
[ハート]少し向けている→恋愛に対して少し関心がある
[ダイヤ]少し向けている→お金に関して少し関心がある
[クラブ]少し向けている→学問に対して少し関心がある
【ジャック】
[スペード]完全にそむけている→死に対して全然関心がない
[ハート]完全に向けている→恋愛に対してとても関心がある
[ダイヤ]少し向けている→お金に関して少し関心がある
[クラブ]少しそむけている→学問に対してあまり関心がない
絵札のモデル
トランプの絵札、「K(キング)」「Q(クィーン)」「J(ジャック)」には、人の図柄が描かれていますが、それぞれにモデルがいるとされています。
【K(キング)】は、
「スペード」が「ダビデ王」
「ハート」が「シャルルマーニュ」
「ダイヤ」が「ジュリアス・シーザー」
「クラブ」が「アレキサンダー大王」
【Q(クィーン)】は、
「スペード」が「女神アテナ」
「ハート」が「ユダヤのユディト」
「ダイヤ」が「美女ラケル」
「クラブ」が「エリザベス1世」
【J(ジャック)】は、
「スペード」が「騎士オジュール・ラ・ダン」
「ハート」が「軍人ラー・イール」
「ダイヤ」が「戦士サー・ヘクター」
「クラブ」が「騎士サー・ランスロット」
世界の超定番カードゲームの「トランプ」だけあって、どれも、世界的な偉人ばかりです。
「トランプ」と呼ぶのは日本だけ
このカードのことを「トランプ」と呼んでいるのは、日本だけです。
英語圏の国では、「プレイングカード(playing cards)」と呼ばれています。
「トランプ」という言葉自体は、英語圏の国にもありますが、「切り札」という意味で使われています。
「切り札」という意味で使われていた「トランプ」という言葉を、「カードそのものの名前」だと勘違いした日本人が、そのままカードの名前として使ったために、日本では、「トランプ」と呼ばれるようになったといわれています。